ローヤルゼリーは美容と健康に数々の優れた効能が確認されています。
しかしまだ解明されていない部分も多くあり、現在でも研究が進められています。
その中で、ローヤルゼリーに含まれるたんぱく質中にアピシンという成分が 発見されました。
アピシンとはどんな物質で、どのような働きがあるのでしょうか?
ローヤルゼリーの成分の割合は、水分が60〜70%、たんぱく質が12〜15%、糖質が10〜16%、脂質が3〜6%、ビタミン、アミノ酸、塩分が2〜4%となり、たんぱく質が高い割合で含まれる特徴があります。
ローヤルゼリーのたんぱく質の中に、アピシンという成分が含まれていることが茨城大学農学部の米倉教授らにより発見されました。
アピシンという名前は、ミツバチの学名であるアピスから命名されたそうです。
名前の由来ですが、元々アピスとは古代エジプト神話の聖なる牛のことです。
当時、聖なる牛が死ぬとそこからミツバチが生まれると信じられていたそうです。
そこでミツバチをアピスと名付けたと伝えられています。
1-1.たんぱく質とアピシン
アピシンは分子量35万の糖たんぱく質で、ローヤルゼリーのたんぱく質の中で最も多く含まれている成分です。
アピシンはMRJP1(Major Royal Jelly Protein1)とも呼ばれています。これは「主要ローヤルゼリーたんぱく質1」 という意味です。
1-2.アピシンの働き
実験では、アピシンは細胞の増殖を促す作用と、細胞死を防止するというふたつの作用があることが確認されました。
遺伝的にはまったく同じである女王バチと働きバチですが、ローヤルゼリーを生涯にわたり食べ続ける女王バチの体は働きバチの2倍以上になり、寿命は30〜40倍も長くなるのは、
このアピシンの働きによる可能性が考えられ、 ローヤルゼリーの効能を解明する手がかりとなることが期待されています。
今後、研究が進むと、アピシンを医療分野にも応用できることが期待されます。
それと同時に、ローヤルゼリーに含まれるアピシン以外のたんぱく質の機能についても研究が進められています。
1-3.アピシンの含有量
これまでの研究結果によると、アピシンはその含有量が多いほど、ローヤルゼリーの品質が高くなると考えられています。
しかし現在のところ測定が非常に難しいため、アピシンの含有量表示がある製品はほとんど見かけません。
このあたりも今後の研究が進み、アピシンの含有量が明記された商品が多く出回ることが期待されています。
1-4.アレルギーとアピシンの関係
一般に、食物アレルギーは食品に含まれるたんぱく質がアレルゲンとなって引き起こされます。
ローヤルゼリーも食物アレルギーが起きる食品のひとつで、アレルギー体質の方は摂取しないように注意が必要です。
企業と大学の食物アレルギーの共同研究で、ローヤルゼリーのアレルゲンはアピシンMRJP1(Major Royal Jelly Protein1)と、
もうひとつのローヤルゼリー特有のたんぱく質、MRJP2(Major Royal Jelly Protein2)であることが判明しました。
アピシンはローヤルゼリーのすべてのたんぱく質のうち31%を占め最も高く、MRJP2は16%を占めます。
同じ研究で、酵素分解されたローヤルゼリーはアピシンとMRJP2が分解され、酵素分解されていないローヤルゼリーに比べ、アレルギーの発症が起こりにくくなる可能性があると発表されています。
酵素分解されたローヤルゼリーとは、あらかじめたんぱく質を酵素を使い、細かいペプチドやアミノ酸に分解してあるもので、吸収の速度が早くなる特徴があります。アレルギーとアピシンの関係について、今後の更なる研究結果が待たれます。
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