古くから健康食品として親しまれてきたローヤルゼリーですが、実際のところいつから用いられてきたのでしょうか?
ローヤルゼリーと人類の関係について、紀元前から現在に至るまで、くわしくご紹介します。
人類はいつからミツバチと関わるようになったのでしょうか?
スペイン東部のラ・アラーニャ洞窟には、紀元前6000年近くに描かれた壁画があり、そこには壺を持ってはちみつを採取する人とミツバチが描かれています。
狩りや採取をして食べ物を確保していた当時の人類にとって、はちみつも重要な食料のひとつだったのでしょう。
エジプトにあるピラミッドにも、人間とミツバチが関係を持っていたことを表す壁画があります。
世界三大美女のクレオパトラも、ローヤルゼリーを美容のために使っていたといわれています。
このように、人間とミツバチは太古の昔から関わりを持っていたのです。
ローヤルゼリーに関する最も古い文献は、紀元前の古代ギリシャで活躍した哲学者アリストテレスの残した『動物誌』です。
この本の中に「濃厚なはちみつに似た、淡い黄色のやわらかい物体」という記述があり、これがローヤルゼリーを指しているといわれています。
アリストテレスは、ローヤルゼリーと女王バチの関係性に気づき、ローヤルゼリーには特別な力があることを理解していたようです。
ただし、ミツバチの幼虫は非常に小さいため、アリストテレスは幼虫の存在には気づかず、ローヤルゼリーが固まって女王バチになると考えていたとされています。
時代は下って18世紀、科学の発展に伴い、ローヤルゼリーの効果の秘密について急速に解明が進みます。
1792年、フランスの学者フランソワ・ユベールが『ミツバチの新観察』を出版し、その後のローヤルゼリー研究に大きな影響を与えました。
この本の中で用いられている「ゼレ・ロワイヤル(フランス語で「王のゼリー」の意)」という言葉が、現在の「ローヤルゼリー」という呼称の元となったといわれています。
ローヤルゼリーの成分や効果について様々な研究が行われ、19世紀のヨーロッパではローヤルゼリー製品が人気になりました。
ローヤルゼリーの効果が世界に広まったのは20世紀半ばのことです。
当時80歳を超えたローマ法王ピオ12世が、体調を崩し危篤に陥ってしまいました。
世界中が心を痛める中、彼を救ったのは、医師が処方したフランスのローヤルゼリー製品だったのです。
この奇跡の回復について1955年に開かれた国際学会で発表され、1958年の世界養蜂家会議では法王自らローヤルゼリーに感謝を述べました。
こうしてローヤルゼリーは世界中に名を広め、日本でも普及するようになったのです。
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