ローヤルゼリーに含まれるロイヤラクチンとはどんな成分なのでしょうか?ロイヤラクチンの持つ効果や身体への影響について、くわしくご紹介します。
ロイヤラクチンは、ローヤルゼリーに含まれるタンパク質の一種です。
発見したのは日本の富山県立大学の鎌倉昌樹さん。2011年に、科学誌Natureに女王バチへの分化する因子としてロイヤラクチンを報告しました。
女王バチと普通のハチは、生まれた時は同じ卵ですが、女王バチになる幼虫にはずっとローヤルゼリーが与えられ、普通のハチよりずっと大きく成長し、生殖能力を持つようになります。
ローヤルゼリーの成分のうち、このような成長の差をもたらす物質はこのロイヤラクチンだと言うのです。
ロイヤラクチンという名前は、肝細胞を活性化する機能を持っていることが由来になっています。
鎌倉さんの行ったロイヤラクチンの実験では、30日ほど40℃の環境に放置し、古くなって効果がなくなったローヤルゼリーにロイヤラクチンを添加したものとそうでないものを用意し、
ハチの幼虫に与えたところ、ロイヤラクチンを添加したローヤルゼリーを与えられた幼虫のみが女王バチに成長したという結果が出ました。
また、キイロショウジョウバエという昆虫でも同様の実験を行ったところ、ロイヤラクチンには大きい身体と生殖能力、寿命の増加を与える力があるということがわかりました。
他にも、ロイヤラクチンは人間に関しても効果があることがわかってきています。
ロイヤラクチンのおかげで、細胞活性作用が40パーセントも向上したり、細胞を長生きさせたりする効果があることが知られています。
このことから、ロイヤラクチンにはアンチエイジングにも役立つとされ、さらなる研究が進んでいます。
残念なことに、ロイヤラクチンは熱に弱いという性質を持っています。
現在、ロイヤラクチンの含有量を上げる輸送方法や、高濃度で配合された健康食品などが開発されています。
また、ロイヤラクチンを上手く運用すれば、ローヤルゼリーのさらなる安定供給に繋げることができるとも考えられます。
ローヤルゼリーの品質は、産地や特有成分のデセン酸の含有量で区別されていますが、近い将来ロイヤラクチンの含有量でも区別されるようになるかもしれません。
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