私たちが摂取しているローヤルゼリーは、一体どのように採取されているのでしょうか?
この記事では、広く普及している「人工王台」を使ったローヤルゼリーの採取方法をご紹介します。
そもそもローヤルゼリーは、ハチの中でも女王蜂とその候補の幼虫にのみ与えられるものです。
女王蜂候補の幼虫は王台と呼ばれる特別な飼育スペースに産み付けられ、たっぷりのローヤルゼリーに囲まれて育ちます。
ローヤルゼリーはこの王台から採取されます。自然状態では、一つの巣の中にはわずかな数の王台しかないため、あまり多くの量を採取できません。
また、王台の中にいた女王蜂候補の幼虫が育たなくなってしまうため、ハチの巣に大きな負担がかかってしまいます。
ローヤルゼリーを安定的に大量に採取して製品化するために考えられたのが、人工王台を使う方法です。
生まれて間もないハチの幼虫を、人工王椀という小指の先ほどの大きさの容器に入れます。
この人工王椀は人工王台のもとになるもので、この中に幼虫を移す作業を移虫といいます。
生まれたばかりのハチの幼虫は体長1mm程度と非常に小さくデリケートなので、移虫は非常に大変な作業です。
この人工王椀を、ローヤルゼリーを作ることが出来る若い働きバチが多い群れの巣箱の中にたくさんセットします。
すると、飼育係の働き蜂はこの人工王椀に入った幼虫を全て女王蜂候補だと認識し、ローヤルゼリーを与えます。
こうしてできたローヤルゼリーたっぷりの人工王台を巣から取り出し、中にいる幼虫を手作業で取り除きます。
ローヤルゼリーが採取されるまでにはどのくらいの日数がかかるのでしょうか?
人工王椀に移虫する際、孵化してから2~3日目の幼虫が使われます。
また、移虫してからはなるべく新鮮なローヤルゼリーを採取するために48~72時間程度で、巣から人工王台を取り出します。
昭和54年9月に告示された公正取引委員会の「ローヤルゼリーの表示に関する公正競争規約」では、移虫後72時間以内に採取したものでないと、生ローヤルゼリーとして販売することができないというように定められています。
幼虫を移虫するまでと、移虫してから採取するまでにそれぞれ2~3日かかるので、ローヤルゼリーを採取できるまでには4~6日間かかることになります。
しかも、一つの人工王台から採取できるローヤルゼリーの量は、わずか200~300mg程度です。
ローヤルゼリーはこうして手間と時間をかけて採取されているのです。
◆おすすめ記事◆